取捨完璧!? 100倍楽しむ凱旋門賞

凱旋門賞2022 パーフェクトガイド 凱旋門賞
100倍楽しむ凱旋門賞
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予想しようにも馬券検討しようにも情報不足。情報不足で各馬の横の比較も難しい。丸のりしようにも予想家も多くない。そんな貴方の救世主。マカロン片手に凱旋門賞を100倍楽しみましょう。

コースガイドや各馬の考察は既に別ページで言及しているので、このページでは2022年の凱旋門賞で実現する様々な対決に目を向けてみたい。

ダービ馬対決

今年の凱旋門賞には、各国のダービーを制した3歳馬3頭がエントリーしている。三者三様のダービー馬について1頭づつ紐解く。

凱旋門賞 ダービー馬対決

ヴァデニ

まずは、ランスダービー馬ヴァデニ。自国フランス開催のレースにフランス調教場がフランス人ジョッキーで参戦するというフランス代表の色が濃い1頭。

前走は重馬場のレパーズタウン競馬場で開催されたアイリッシュチャンピオンステークスで3着に破れてはいるが、直線の伸びを競うフランス競馬とは異なるバテ比べ要素の強いアイルランド競馬での敗戦。

父のチャーチルがオブライエン厩舎管理馬でアイルランドやイギリスを主戦場にしていたため、一般的なフランス馬よりはアイルランド競馬への適性が高いと思われるが、それでもアイルランド調教馬など、もっと高い適性を示す馬はいる。

よって、前走の敗戦そのものは度外視可能で、それよりもフランス調教馬であるヴァデニの場合、フランスの馬場に条件が変わる事をポジティブに捉えることができる。

変わり身の可能性の高い1頭と見てよいだろう。

ウエストオーバー

続いて、アイルランドダービー馬ウエストオーバー。ダービーは後続に7馬身の差をつける圧勝。

ダービーの見事な価値っぷりから1番人気に推されたキングジョージⅥ&QESはかかり気味の大惨敗。

前走の大惨敗からの巻き返しを図る一戦にあたる今回の凱旋門賞ではあるが、フランケル産駒という点はなんら気にならないものの、根性比べのイギリス競馬に高い適性を示すようなロベルトが3代父という点は引っかかる。フランス替わりをポジティブに受け止めることは少々難しい。

また、前走をかかりながら大敗した馬の手替わりも歓迎しづらい。しかも直前に鞍上が決まるという点も不安材料。テン乗りではない事が不幸中の幸いといった程度。

ポジティブではない点の方が目につくが、果たして巻き返しなるか。

ドウデュース

最後に、我らが日本ダービー馬ドウデュース。レジェンドを背にレコード勝ちした東京競馬場での勇姿は記憶に新しい。

そのドウデュースだが、過去に凱旋門賞に挑戦した日本馬とは明確に違うアプローチを取っており、現地での前走をあからさまに叩いての臨戦過程は非常に興味深い。

叩いたというよりは、ロンシャントレセンの芝コースを馬なりやや強めで追われたという状態。ここまで明確に現地のレースを捨ててまで叩いた馬は記憶にない。

マカヒキの教訓という意味もあるであろうこの臨戦過程は、非常にポジティブな材料と言える。

他方、懸念材料も…。

それは、東京の高速馬場をレコード勝ちしたことに他ならないのだが、キレッキレの軽い馬場を誰よりも速く走れた馬が、スピードレンジの違う路盤が緩くて芝の深いコースでも速く走れる可能性は常識的に考えて非常に低い。

ハーツクライ産駒の日本競馬での位置付けは本来的にはキレ味型ではなく、キレ味型の脚が削がれる場面、言うなればパンパンの良を得意としない馬の方が多い。そういう意味ではフランス競馬への適性は見出せると思う。

ただし、ドウデュースの場合、ハーツクライ産駒特有の追走力やキレ味不足を補うために、母系に米国的な速さを詰め込んでいる。それによって、ハーツクライ産駒のセオリーを良くも悪くも脱している。

つまり、ポジネガ両面を持ち合わせての参戦であると言って良いだろう。

オーナーのただならぬ武豊愛を一身に背負い悲願成就なるか。

名将対決

凱旋門賞 名将対決

フランスを代表するファーブル師と、アイルランドを代表するオブライエン師。2人の世界的名将について紐解く。決して両名に対して甲乙つける意図はないことは前置きしておく。

ファーブル

87年トランポリーノ、92年スボーティカ、94年カーネギー、97年パントレセレブル、98年サガミックス、05年ハリケーンラン、06年レイルリンク、19年ヴァルトガイスト。史上最多の凱旋門賞8勝は偉業どころの騒ぎではない。

ファーブル師の凄みは、ロンシャン開催の凱旋門賞では毎回必ず馬券内に管理馬を送り込むところにある。なお、19年のヴァルトガイストは、9人気での戴冠である。

昨年は管理馬の怪我により参戦が叶わなかったが、今年は、昨年出走が叶わなかったマレオーストラリスでのリベンジ参戦。人気を背負う見込みも薄く楽しみしかない。

オブライエン

母国アイルランドやイギリスのクラシックレースの常連of常連で、もはや説明不要の世界的名調教師。

主な管理馬が多過ぎて何が主なのかわからない程の大調教師なので、ほんの一例として彼が管理したイギリスダービー馬8頭を紹介させていただくが、ガリレオ、ハイシャパラル、キャメロット、ルーラーオブザワールド、オーストラリア、ウイングスオブイーグルス、アンソニーヴァンダイク、サーペンタイン…、震える。

ところがしかし、だがしかし、ロンシャン開催の凱旋門賞では勝てないどころか馬券内すらない。意外を通り越して異常。

オブライエン師は凱旋門賞では勝てない、ジンクスだ!と単純なことを言うつもりはなく、オブライエン厩舎の管理馬はガリレオやその産駒を筆頭にタフ過ぎるぐらいタフな馬が多く、ロンシャン開催の凱旋門賞とは適正が多少ズレるため致し方ないと言える。走るのは競走馬だが、競走馬を育成管理するのは人であり、管理する人のノウハウや方針が反映されるのは当然の流れである。

今年はアイリッシュチャンピオンステークス勝ち馬のルクセンブルクでの参戦。ルクセンブルクの父キャメロットもオブライエン師の管理馬で、1人気に推された凱旋門賞で大惨敗…。その借りも不名誉極まりない汚名もまとめて返上なるか。

ドイツ馬対決

凱旋門賞 ドイツ馬対決

今年は2頭のドイツ馬がエントリーしているが、この2頭にはちょっとした因縁のようなものがある。

トルカータータッソ

言わずと知れた昨年の勝ち馬。人気薄での大激走で記念すべき100回大会での凱旋門賞馬に輝いた。

父のアドラーフルークも、母の母父アカテナンゴも、その父ズルムーもドイツダービー馬というコッテコテのドイツの超良血馬。

昨年はドイツのバーデン大賞を勝っての凱旋門賞参戦だったが、今年は2着に破れての臨戦。しかも、昨年の凱旋門賞を勝った主戦は、契約の問題で別の馬を選択しているという状況。

メンドシーノ

今年のバーデン大賞でトルカータータッソを差し切ったのが…、そう、メンドシーノ。

しかも、主戦はトルカータータッソの主戦でもあるR.ピーチュレク。

契約の問題とはいえ、R.ピーチュレクは昨年の勝ち馬ではなく、今年のバーデン大賞勝ち馬で凱旋門賞に参戦することになった。

そして、メンドシーノもトルカータータッソ同様にアドラーフルーク産駒。ただし、こちらは母系にピヴォタルやコジーンといった速さの原流のような血を引いている。

母系の違いが立ち上がりの速さやトップスピードへの乗せ方の違いとして表れると思うわけだが、同時に、前走でトルカータータッソが前目につけての競馬であったことに対して、両馬への騎乗経験のある主戦が後ろに構えた事は、メンドシーノなら後ろに構えても届くと考えての事だったのだろうとも思う。

色々と共通点の多い2頭の対決からも目が離せないが、単純な馬券の妙味としてはメンドシーノを上にとっても良さそうではある。

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